心

すごく憎い人がいる。

嫌悪と憎悪は、尊敬していた人ほど強くなるというのが実感している。ちょっとしたきっかけで全てが堪らなく汚らわしく感じるようになってしまった。

今となっては、口をきくことすら眉をしかめずには出来なくなっている。前は、笑いながら何時間でも話をすることが出来たのに。
時々話し掛けられても、私はそいつに言葉を返すまでに一拍の時間を取り冷静になって言葉を返さないといけないと、実感しないと口が開かない。大概は、すごく短い一言で返す。
街で、背格好の似たやつを見ると、それだけで嫌悪して、わからないけど自分も怯える。強迫観念である。追い詰めれば、私も追い詰められてる。

私の行為がやつを必要以上に追い詰めていることは、わかっている。それが堪らなく嫌であり、堪らなく嬉しい。
私は復讐しているのだろう。
毎日より深みに入っていく。